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スイス連邦工科大学(ETH)、バイオメカニクス研究所(小林 洋)

小林 洋

留学先名(期間)

スイス連邦工科大学(ETH)、バイオメカニクス研究所のDr. Karin Wuertzの研究室に、客員研究員として留学しました(2012年5月から2013年3月)。

大学と研究室(著者は休みのため不在)

 

留学先での研修内容(基礎研究、臨床研究、臨床など)

基礎研究では、椎間板の培養細胞を用いて、重力などのメカニカルストレスが椎間板に及ぼす影響や、椎間板におけるToll-Like Receptorという自然免疫受容体の発現を研究しました。臨床では、椎間板の検体を取る際の手術に参加して、海外での手術を肌で体験することができました。当時は日本では行われていなかったような手術も見ることができ、新鮮な体験でした。

 

留学先での思い出

研究者、大学院生とは距離が近く、アットホームな雰囲気でした。皆僕より若く夜も元気で、毎週末飲みに誘ってくれました(もちろん、個人的にではありません)。家族の目もあり毎週は無理でしたが、できるだけ参加していました(もちろん異文化交流、語学の向上のため)。

研究が充実していたのはもちろんですが、旅行の思い出もたくさんできました。イメージしていた以上に、アルプスの大自然が印象的でした。週末に出かけるだけで十分に楽しむことができました。周辺ヨーロッパ諸国も近く気軽に行くことができ、観光にも便利でした。冬には、研究室のメンバーでスキーツアーがあり、ダボスという国際会議などで知られるリゾートに行きました。そこで高山病になり、標高の高さを体で感じました。

ダボスにて(このあと高山病になり撃沈)

 

自宅にて

 

施設のメリット・デメリット、後輩へのメッセージなど

日本人が周囲にまったくいない環境で、慣れるのは大変でしたが、かえって海外生活にどっぷり浸かるという意味で良かったと思っています。国際色豊かな研究室でスイス人は半分以下でした。研究内容のみならず、語学や文化などを学ぶことができました。物価が高いことなど、不便な点も多少はありましたが、日本の良さを再確認できたことはかえって良かったと思います。当時のメンバーとも学会で会うことがありますが、国際学会でアワードを取っていたり、刺激になっています。自分は家族で行きましたが、外出が少し限られる一方、家族との時間を取ることの大切さを学びました。もしかしたらこれが一番ためになったかもしれず、ここで学ばなかったら危なかったかもしれません(汗)。

後輩の皆さんには、機会があればぜひ積極的に海外に出てみることをおすすめしたいと思います。