変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の中で大腿骨の頭部と骨盤の窩(寛骨臼)にある関節軟骨がすり減り、摩耗する病気です。通常、関節軟骨は骨同士の摩擦を防ぎ、スムーズな動きを可能にしますが、変形性股関節症ではこの軟骨が痛みや炎症を引き起こし、関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
一方日常生活では、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たします。
診断は上記の症状がある場合、単純X線(レントゲン)写真を撮って確定します。
治療は減量や股関節周囲の筋力つけるために、運動療法(リハビリ)、痛みを和らげるために薬物療法(痛みどめのお薬を飲む)を行います。それでも痛みのために生活が困難となってくる場合には、手術治療を行います。手術は通常は人工股関節全置換術を行います。人工股関節は患者さんの股関節の痛みを改善し、生活が過ごしやすくなりますが、硬くなった筋肉のために時々痛みが出ることがあったりする場合もありますが、満足度の高い治療法です。